愛犬のために 爪のトラブルにご用心

いよいよ雪が積もり始め、根雪になると本格的な冬シーズンの到来です。やがて気温が氷点下のままの真冬日が続くようになると、道路の雪も歩道の雪も圧雪や氷になってしまいます。そんなこれからの季節は、部屋の中で生活しているワンちゃんたちにとって、散歩で歩くことで、かたい地面で削られる機会がなくなり、爪が伸びすぎることで起きるトラブルが増える季節でもあります

 爪は、指先という繊細な部位を守るために進化した、角質が変化した器官です。人間の爪はいわゆる平爪(扁爪)とよばれ、指の先端の背側を板状に覆うことで、繊細な指先を保護し、物をつかんだりする働きを妨げないつくりになっており、人間を含む霊長類にみられます。また、大型の草食動物などにみられる蹄(ひづめ)は、指の先端の骨の周囲を直接覆うように発達し、大きな体重が四肢端の骨に直接かかる影響を緩和しています。

ワンちゃんたちの爪はどうでしょうか?

 ワンちゃんの爪は鉤爪(かぎづめ)と呼ばれ、平爪や蹄をもつもの以外の哺乳類のほとんどが持っているタイプです。鉤爪は、爬虫類や鳥類のすべてで見られることから、爪の本来の形と考えられています。鉤爪は、指の先端の骨の半分程度をUの字を伏せた形に覆っていて、そこから先端に向かって指の腹側に曲がって尖って伸びていきます。鉤爪は、狩りや闘争の際の武器となり、また、ひっかけて移動の助けとして用たり、スパイクのような役割を果たしていると考えられています。

 硬い地面が露出している季節であれば、散歩で削られることが期待できますが、これからの季節、硬い地面で削られる機会がなくなり、気づいたら爪が伸びすぎていることがあります。気づかずにいると弯曲した爪の先端が肉球に刺さってしまっていた、ということさえあります。そうならないように、日ごろから、特に冬シーズンは、爪切りの習慣を付けましょう。

 自宅で爪切りをする際には、深爪にならないよう、注意しましょう。色素が薄い爪であれば、中心に通る血管がピンク色に透けて見えます。その先端から2-3㎜開けて先端を切り落とし、尖った角はやすりなどで滑らかにしましょう。色素が濃く、中心に通る血管がわからない場合は、爪の先端から少しずつ切り落としていき、爪の切断面の中心の色がクリーム色に変わる部位まで切ったらそれ以上切らないようにしましょう。

もし、深爪で出血してしまったら、慌てずに出血している爪の先端に指の腹を強めに押し当てるか、出血している爪の根元の指の先端をつまむように強めに圧迫したうえで、クイックストップなどの止血剤を少量付けることで比較的簡単に止血が可能です。もし、クイックストップなどの止血剤がない場合は、応急的に、擦ったマッチの火を消して、そのマッチの頭を、出血をふき取った爪の切り口に押し当てることで止血が可能です。それでも出血が止まらない場合や、爪が割れてしまっている場合、巻爪になってしまっている場合は、できるだけ早く、動物病院で処置してもらいましょう。

 日ごろから、爪が伸びていないか気を付けている方も、これからの季節は、無積雪期より短い周期でのケアが必要です。こまめに注意してみてあげましょう。

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