愛犬のために 椎間板ヘルニアのお話

椎間板(ついかんばん)ヘルニアとは

 人間の腰痛の原因の一つで「椎間板(ついかんばん)ヘルニア」という病名を耳にしたことがある方もいると思います。これは背骨の中に存在する脊髄(せきずい)と呼ばれる太い神経が、椎間板(ついかんばん)というものに圧迫されてしまうことによって起こる病気です。
 椎間板(ついかんばん)とは背骨((椎骨(ついこつ))と背骨((椎骨(ついこつ))の間にある、クッションの役割をしている軟骨成分で、背((椎骨(ついこつ))にかかる負荷を軽くしているものです。激し過ぎる急な運動や重い荷物を持ち上げた時などで背骨((椎骨(ついこつ))に過度な負荷がかかると、椎間板(ついかんばん)が耐えられなくなって脊髄(せきずい)の方へ飛はみ出してしまうことがあります。その結果、はみ出した椎間板(ついかんばん)脊髄(せきずい)を強く圧迫することで腰痛や足の痺れ、麻痺を引き起こします。これが椎間板(ついかんばん)ヘルニアです。
 ワンちゃんも同じように椎間板(ついかんばん)ヘルニアになってしまうことがあります。症状も腰の痛みだったり、後ろ足が痺れてうまく歩けなかったりと人間と似ています。症状が重い場合は、自力で排泄ができなくなったり、後ろ足の感覚が完全に無くなって立ちあがることができなくなってしまうこともあります。また、首のあたりで椎間板(ついかんばん)ヘルニアが起こることもあり、その場合は後ろ足だけではなく前足も痺れて動かしづらくなります。

椎間板(ついかんばん)ヘルニアが起こりやすい犬種

  特に日本では、胴長短足の愛らしい姿で絶大な人気を誇るミニチュア・ダックスフンドでの発生がとても多く、それ以外でも大型犬ではジャーマン・シェパード、ラブラドール・レトリバー、ドーベルマンなどで起こりやすいことが知られていて、発症が多い年齢は犬種に関わらず4~8歳と言われています。
 ダックスフンド、ウェルシュ・コーギー、ビーグルなどの犬種は軟骨異栄養(なんこついえいようけんしゅ)と呼ばれ、他の犬種よりも歳を重ねるごとに椎間板(ついかんばん)が硬くなっていく傾向が強いため、椎間板(ついかんばんヘルニアを起こしやすいことが知られています。

椎間板(ついかんばん)ヘルニアの予防

ソファから飛び降りた時にギャンと鳴いてから、後ろ足が動かせなくなったという話はよく聞くため、階段やソファからの昇り降りなどの首や腰に負担が大きくかかる運動は なるべく避けるべきでしょう。ワンちゃんが上がれそうな高さのものを床に全く配置しないという極端な予防法もありますが、ワンちゃん用のスロープなどを設置する等、生活にあった対策がおすすめです。また、ワンちゃんを抱き上げるときに両脇をかかえたり、片手で胸をかかえたりすると胸から腰にかけての背骨((椎骨(ついこつ))椎間板(ついかんばん)に大きな負担がかかります。さらに人間の赤ちゃんを抱っこするように縦にかかえても同様に負担になります。ワンちゃんは4本の足で生活している生きものなので通常、背骨は水平です。ワンちゃんの背骨が水平になるように抱っこすると、背骨への負担を軽減することができます。

椎間板(ついかんばん)ヘルニアかな?と思ったら

 多くの場合、急性に起こるため、突然うまく歩いたり立ったりことができなくなります。椎間板(ついかんばん)が飛び出している部分では痛みを伴うことが多いため、鳴いたり触られるのを嫌がったりすることもあります。時間が経つほど圧迫による脊髄(せきずい)の損傷が進んでしまうため、このような時は大至急、動物病院で診察してもらう必要があります。
 症状が軽い場合は痛み止めや炎症止めの注射や内服で様子を見ることもありますが、手術が必要になることも少なくありません。一般的に、適切な治療を行った動物の殆どは 症状が改善されると言われています。しかし、脊髄(せきずい)の損傷が重度の場合は手術をしても足の痺れが残ってしまうことがあります。
 椎間板(ついかんばん)ヘルニアは、脊髄(せきずい)疾患の中でも目立って頻繁に見られる病気です。しかし他にも脊髄(せきずい)に異常が起こることで、似たような症状が認められる病気はたくさんあります。安易に決めつけず、椎間板(ついかんばんヘルニアが数ある脊髄(せきずい)の病気のうちの一つであるという認識を持っていただいて、診断や治療などはかかりつけの先生に相談し、指示に従ってください。

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