愛犬のために フィラリア症のおはなし

秋雨が降り、夏の暑さも一段落したこのごろ。皆様いかがお過ごしでしょうか。今日は予防にも最後の詰めが大切な寄生虫のお話です。

イヌの代表的な寄生虫病のひとつに、蚊が媒介する『犬糸状虫(フィラリア)症』があります。これは、長さが15〜30cmにも達する糸状の虫が、心臓の右心室や肺動脈に寄生する病気です。フィラリアの幼虫を媒介する蚊に吸血されることで、感染します。犬糸状虫症に罹ったイヌの血液中には、フィラリアの子虫(ミクロフィラリア)が、蚊に吸血されるのを待っています。吸血され蚊の体内に入ったミクロフィラリアはおおよそ2週間でほかのイヌに感染する能力を獲得し、蚊の口(吸血器/吻鞘)に集まり感染期幼虫となり、蚊が吸血するのを待ちます。吸血の際に蚊が分泌する唾液とともにイヌの体内に侵入したフィラリアの幼虫はおおよそ3か月ほどで静脈に侵入し、さらに2か月ほどで全身の静脈から血液が戻ってくる、心臓の右心室に達します。その後、右心室から肺動脈へ・肺動脈から右心室へと移動、成熟し、感染からはおおよそ7-8か月で子虫(ミクロフィラリア)を産出し始めます。寄生したフィラリア虫体が正常な血液の循環を妨げることで、咳、腹水、血色素尿や失神などの症状がみられます。症状が出てきて感染に気が付いた時には、肺血管や心臓が大きく変化してしまっていて手遅れであったり、治療に膨大な費用やリスクが生じてしまいます。無治療で放置すると、右心系の障害がさまざまに現れ、呼吸困難や衰弱などにより死亡することが多い、恐ろしい病気です。

犬糸状虫症を防ぐには、予防薬の投与が必要です。投与する薬には、錠剤やジャーキー様のもの、背中に垂らすタイプなどがあります。とても手軽に投与しやすいいろいろな形の薬が普及していますが、予防薬投与による犬糸状虫症予防をする際には注意が必要です。投薬シーズン前の血液検査が絶対に必要なことと、蚊が発生している期間だけではなく、蚊がいなくなった1ヵ月後にも投薬が必要なことです。
フィラリアの薬は、実は一定の時期のフィラリアを退治する駆虫薬です。1か月ごとに投薬し、特定の成長段階の子虫を静脈に侵入する前に退治する事で、成虫の血管内寄生を防いでいるのです。ところが、これらの薬は血管に侵入する前のフィラリア幼虫に対してだけでなく、不幸にも成虫寄生に至ってしまっていて、産出されている血中のフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)に対しても効いてしまいます。もし、血液中にフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)が存在しているのに予防薬を投与してしまうと、血液中のフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)が一斉に殺滅されることで、時に致死的な結末を含む重篤なショック症状をひきおこします。
フィラリアの寄生を防ぐために投与したはずなのに、かえって重篤な結果を招いてしまう。そんな悲惨なことにならないよう、投与シーズン前には、必ず動物病院で血液検査を受けましょう。また、もう蚊がいなくなったからと、処方された薬が残っているのに投与をやめてしまわないで、指示された期間の最後までちゃんと投与しましょう。

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