PetHouse ten・ten うちのこ母子手帳

気になる内部寄生虫と
皮膚病の話

消化管内寄生虫、お腹の虫について

必要に応じて動物病院での
相談や受診をすることを
おすすめいたします。
下水道が完備される前、都市での衛生的な暮らしを手に入れるまでは、人間にとっても寄生虫は身近なものでした。地面に鼻をつけて匂いを嗅ぎ、ペロペロ舐める、犬や猫は、人と同じような、衛生的な暮らしは困難で、少なからず寄生虫に感染してしまうという実態があります。その為、定期的な駆虫は有効です。
ただ、成犬・成猫になると少量の寄生があっても、体とバランスをとり、必ずしも症状が見られず、多くは治療の対象となりません。(免疫力の低下などがあり、体と寄生虫のバランスが崩れ、症状が発現した時は、治療の対象となります。)しかしながら、子犬・子猫では、免疫力が弱く、体力もないことから、重症化して、ひどい下痢や嘔吐を起こします。また、環境の変化といったストレス下で、突然、症状として、下痢を発症することもあります。また、駆虫が済んでいても、効果が不十分な場合があります。必要に応じて動物病院を受診することが大切です。
コクシジウム
主に犬や猫の腸管内に寄生します。経口感染します。泥状の水様性の下痢が見られる事が多く、他にも軽度の発熱や元気・食欲の減退、可視粘膜の貧血、脱水、削痩がみられる事があります。感染後3週間ほどで自然治癒する場合が多いです。
ジアルジア
主に小腸に寄生します。経口感染します。成犬では無症状の事が多いですが、悪臭を伴う脂肪便、栄養発育不良、鼓腸や嘔吐がみられる事があります。環境によるストレスで発症しやすくなります。
トリコモナス
主に大腸に寄生。経口感染します。6 〜 8 週齢の子犬に多くみられます。単独で下痢を起こす事は考えにくいと言われています。他の腸内細菌や寄生虫がいると粘液性の下痢便を主徴とし、時に血液の混入がみられる事があります。人に感染する事もあります。
回虫
少量寄生の場合は、ほとんど症状が認められませんが、子犬・子猫で大量に寄生した場合には、食欲不振、下痢、嘔吐などが見られます。まれに人にも寄生します。一般的には、幼犬幼猫には寄生率が高いので、動物病院での定期的な糞便検査、駆虫薬投与が推奨されています。
糞線虫
主に小腸に寄生します。腸炎を起こし、下痢や血便をします。経口、経皮、経乳感染があります。通常は症状なしか軽度の下痢等、重度でウイルス性の腸炎様の症状がみられる事があります。気管支に多くの幼虫が行く事で寄生性肺炎がみられる事があります。人に感染する事もあります。

心配な症状があれば、動物病院を受診してください。寄生があっても、1度の糞便検査で見つからないこともあります。その場合は、繰り返し検査を行うことがあります。駆虫薬は指示通りに投与します。中には人に感染するものもありますので、日頃から、糞便はすぐに取り除き、良く手を洗うことが大切です。

気になる皮膚病について

膿皮症
常在菌が異常に増えて悪さをすることで、湿疹やカブレ等がみられる病気です。見た目は赤い湿疹やにきびがつぶれた状態で痒みがある時が多く、脱毛はある時とない時があります。体中至るところになる可能性がありますが、陰部や腹部、指の間などの様にやわらかい場所にできる事が多いです。子犬・子猫の皮膚は人の赤ちゃんと同じかそれ以上に弱く、抵抗力が低下したり、湿度が高い時等にこれらの菌が悪さをする事が多いです。
マラセチア
酵母菌の仲間で皮膚や耳の中、指の間や肛門などにもともと少量存在しますが、異常に増えて悪さをすることで、痒みを伴う皮膚炎が見られます。脂肪を好む為、べたべたした体表の脂を代謝して増殖して痒みや炎症を起こします。独特の臭いが特徴的です。脂性の犬種・猫種では、こまめなシャンプーが有効な場合が多いです。
真菌(皮膚糸状菌)
真菌というカビの仲間により、起きる病気です。多くの場合は円形に脱毛し、白いフケが見られ、激しい痒みはありません。進行が早いのであっという間に脱毛してしまう事もあります。一部の真菌は人や他の動物にも感染する事があり、小さな子供やお年寄り、免疫力が低下した人は注意が必要です。
疥癬
センコウヒゼンダニというダニの仲間により痒み等がみられる病気です。大きな黄色や白いフケがでて激しい痒みを伴う事が多く、非常に感染力が強く、一回の検査では見つからないこともあります。耳、口の周り、肘や膝、胸部や腹部でもみられる事が多く、人や他の動物に感染するため、注意が必要です。
毛包虫
毛包に寄生するダニの一種で、通常、症状はなく、治療の必要はありません。また、犬猫の間で感染するものではありません。しかし、免疫力低下時やストレス時に異常増殖し、毛包がダメージを受けて、脱毛します。ニキビのように膿疱ができて、ただれて痒みを伴います。

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